トイレに吊り戸棚をつけたいな〜。
よし!DIYしちゃえ!
ちょっと待って!
その壁に下地はあるの?
「下地」って何…?
画鋲でつけれるぐらいの重さならどこでも大丈夫ですが、重いものを壁につける時には「下地」が必要です。
理想のインテリアを実現するために必須の壁下地。
今回はこの「下地」とはなにか、詳しく解説していきます!
「下地」が必要な理由
「下地」とは、釘やビスを打ち込んで重い物を壁に取り付けるための下地の事です。
壁の中は基本的にこのような構造になっています。
壁紙の下は石膏ボード(通称PBボード)が貼られていて、その向こうに柱や間柱と呼ばれる木があります。
間柱とは構造体ではなく、壁を支えるための補助の柱のことです。
鉄骨造の場合、間柱は木ではなくスタッドと呼ばれる金属の間柱になります。
つまり画鋲が刺さっているのはこの石膏ボード部分。
石膏ボードとは、石膏を固めて板状にした建築には欠かせない材料です。
画鋲を刺すと白い粉が付いてきますよね。
それが石膏です。
ほとんどの建築物の内装壁は石膏ボードでできています。
しかし石膏ボードはもろくて弱いため、釘やビスなどで重いものを打ち込むと重みに耐え切れずボロボロになってしまうのです。
毎年同じ場所にカレンダーを貼ってて、穴がゴソゴソで画鋲が刺さらなくなったような経験はありませんか?
石膏ボードはあくまで石膏の粉の塊なので、例えカレンダーであっても穴をあけて荷重を加え続けるとこのような現象が起きます。
じゃあ「下地」のない場所に吊り戸棚をつけたら落ちてしまうって事?
そうですね。
重みに耐え切れず、荷重を受けたと同時にグラグラになってくるでしょう。
壁の穴も大きくなって壁がボロボロになってしまいます。
そのためにも「下地」が絶対必要なんです!
危うく家の壁をボロボロにするところだった…!
「下地」はどこにあるのか
では、「下地」はどこにあるのでしょうか?
実は石膏ボードの向こう側にある柱や間柱も下地の一つです。
木であれば、石膏ボードのようにボロボロにならずに釘やビスを安定して刺すことができます。
でも物をつけたいところに必ず柱があるとは限りませんよね。
なので、注文住宅では一般的に合板(通称コンパネ)を使って下地を作っていきます。
合板は板状になっている木なので、釘やビスを打ち込んでもしっかり固定してくれます。
範囲も広くカバーしてくれるので重い棚やフックもつけ放題ですよ!
こちらは階段の手すりをつける場所に下地が入っている写真です。
手すりなど、人の荷重がかかる所には必ず下地を入れましょう!
タイルにも下地が必要
実はタイルを貼るにも下地が必要です。
釘やビスを打たないから関係なさそうだけど?
石膏ボードの表面は紙でできているため、タイルの重みに耐え切れず紙ごとタイルがめくれてきてしまうのです。
そのため、合板で下地を作る必要があります!
タイルは仕上げ材なので後に回してしまいがち。
いざタイルを貼りたい時に下地がなくて断念してしまうケースもよくあります。
せっかくの注文住宅でこだわってきたのに、憧れのタイルを諦めることになるのは勿体無いですよね。
そうならないためにも早めに担当者さんに相談をして、先程の手すりのような下地を入れてもらいましょう!
耐火・準耐火・省令準耐火建築物の場合
耐火・準耐火・省令準耐火建築物では内装制限がかかるため、壁紙の下は石膏ボードにしなければなりません。
つまり、これらの建築物では「合板」を石膏ボードの下に仕込む必要があるのです。
下地が石膏ボードの向こう側にあるため、少し長めの釘・ビスでなければ下地まで届かないため注意してくださいね。
石膏ボードの厚み:9~15mm
まとめ
いかがですか?
こんな話を聞くとあちこちに下地を入れたくなりますが、下地を入れるにももちろんコストがかかります。
・壁下地を入れてなくても、柱のある位置であれば重い物を取り付けることができる。
・棚を付けるかもしれないところには念のため下地を入れておく。
合板の下地が必要な場所と柱で代用できそうな場所をしっかり見極めた上で、お財布にも優しい素敵な家づくりを楽しんでくださいね!